寝る前にね、テンテは全然歯がグラグラしない・・って泣き出すの。はやく大人になりたいって。
保育園で同じキリン組の としやクンの前歯が一本抜けたの。クラスでも一番。でもとしやは4月生まれ。あと3ヶ月もしないうちに6歳になる。テンは11月生まれだからね。小さい時の年齢差は特に、成長に大きな差を見せる。更に個人差もあって当たり前だから、実際の年齢差より大きく開くこともある。
どうやってテンに説明しようか、一瞬ママは悩んだよ。ママね、「テンて、急がなくていいんだよ。みんな、絶対に大人になるの。テンの歯は、大人の歯にはえかわろ〜ってまだ思ってないだけで、絶対大人の歯にはえかわる時がくるの。テンてが大きくなるために、今は、きちんとご飯をたべて、いっぱい寝て、楽しく遊んで、毎日ちゃーんと過ごすんだよ。早く早くって急いで、今を楽しく過ごせなくなっちゃったらもったいないよ。保育園生でいられるのは、5歳と、6歳の、今だけなんだからね。大丈夫。テンも、みーんなお友達も、だんだん大きくなって、歯も大人の歯にはえかわっていくの。」って言ったの。どこまで理解してくれたのかはわからないけど、テンて、「はい。」「はい。」って聞いてた。
今になって思うことは、もっと、どうしてそう思い立ったのか、詳しく聞き出したかったって事だなぁ。トシヤの歯が抜けたことが発端ではあるけど、子供であることに何かモドカシサがあるのかもしれない・・・。あの子は、私が思ってるよりもずっと色々わかってると思う。テンとは、イチイチ、ちゃんと話し合っていかなきゃ。めいの考えの押し付けにだけは、ならないように。テンが話すのを待つことを、忘れないように。
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